こんにちわ。スティールパンを演奏している安里(@asatokei1)です。
技術が進歩するにつれて、 “プロとアマチュアの差が無くなる” という言葉が出てきました。
知りたいことがあればスマホで検索。
youtubeを見れば動画で情報を得ることができます。
誰でも自由に情報を掴むことができる時代ですからね。
「プロだけが得られる情報」というのは少なくなってきてます。
どんな分野にも同じことが言えると思いますが、まさに音楽はそんな状況で、「上手くなりたいと思ったら、簡単に情報が手に入って、上達することができる」 時代です。
こうなったら、プロより上手いアマチュアが出てきてもおかしくない。
現実に。
スティールパンシーンはほとんどがアマチュアですが、プロ顔負けのパフォーマンスをしていますよ。
僕がスティールパンシーンで活動していて感じたことをまとめてみたいと思います。
演奏がうまくなるのは簡単になってしまった。
僕は音大時代にたくさん練習を重ねました。
そりゃあもう、朝から晩まで練習しました。
ソロ・アンサンブル・室内楽・オーケストラ・吹奏楽を始め、打楽器が関係する音楽は一通り練習しました。
それは、僕の中で大きな蓄積になっています。
が!
正直、無駄な練習も多かったです。
練習の仕方が下手だったんですね。良い練習方法を知らなかったんです。
当時はSNSもほとんど無かったし(mixiが出始めた頃だったかな)、Youtubeやニコニコ動画もありません。
Amazonが知れ始めた頃だったかなぁ。
海外サイトからPANORAMAのDVDを恐る恐る購入して、家にDVDが届いた時は、「本当に来た!」と感動したのを覚えています。
それだけ情報を手にするのに時間が掛かったし、情報量も多くなかった(見つけにくかった。)
必要な技術がわかりやすくなったから、無駄な練習も少なくできる。
なんなら効率の良い練習方法までYOUTUBEにアップされていますしね。
今では質の高い情報が一瞬で手に入る。
この動画とか、すごいですよ。
10年前では考えられないです。
PANNORAMAの映像どころか、演奏の手元まで映っています。
しかも、スティールパンではなく、エンジンルームですよ。マニアックすぎる!
一昔前は「この情報を手にするだけで何年も掛かったし、それはプロにしかできなかった」んです。
これが一瞬で無料で手に入る時代です。
もちろん、エンジンルームというのは一例で、全ての分野に同じことが言えます。
これを見て、要領の良い人はすぐにコツを掴むでしょう。
そうなってくると、誰でも演奏が上手くなりやすくなる。 必然的に”上手いだけ”のプロは価値が低くなっていく。
背中にストーリーがあるか?
アマチュアの演奏家は演奏することを楽しんでいます。
本業(仕事)が他にあるのに演奏しているんです。
音楽というのは大変なこともあるし、苦しいこともある。
それなのに、”わざわざ”演奏しているんです。
これは”好きだから演奏している”という純粋な気持ち。
こういう気持ちで演奏している演奏者は無条件で輝きます。
僕が出会って来た生徒さんたちはみんなそう。
一人一人から素敵なストーリーを感じるんです。
仕事とは別に音楽活動をして、ステージ上で輝きたい。
仕事していたら自由に使える時間は少ないのに、その時間を割いてわざわざ音楽をやるんですから。
そんな人たちが集まって音楽するんですから、そりゃあみんなが輝くはずです。
演奏が上手いと、演奏の上手さだけで魅せちゃう。僕はそんなの嫌だ。
演奏が上手いだけの演奏者はテクニックだけになっちゃうんです。
実は、そっちの方が簡単なんですよ。
一度テクニックを身に付けたら、それを毎回やれば良いんですから。
しかし、毎回の本番から熱量が下がっていくんです。
そんな音楽面白いわけがない。
これからはテクニックに頼らない、自分だけのストーリーをしっかり魅せれる演奏者が魅力的。
上手いだけの演奏はyoutubeを見た方が良いんじゃないかな。
映像で見た方が手元まで詳細に見れるし、何度も見ることができる。
テクニックとストーリー、両方持つ演奏者になりたい
国内のスティールバンドをたくさん見て来ましたが、どのバンドもストーリーが魅力的です。
僕もそんな魅力を取り戻したい。それを取り戻すまでは演奏活動に戻れません。
楽しく優しくかっこよく