昨日はトリニダードの主要ラージバンドのベースを弾き比べてみました。
そこで分かったのは、ラージバンドのベースは、そのほとんどがブッチさんが作っているということ。
そして、同じブッチさんが作っているのにバンドによって全然音色が違うということ。
このあたりのことを日本に毎年チューニングに来てくれるマリオさんに質問してみた。
ベースパンのチューニングについて
僕のツイッターアカウントで、随時つぶやいていました。
*↑これ補足が必要です。サスティーンの短いベースをチューニングによって長くすることは比較的簡単。
サスティーンの長いベースを短くすることは困難。ただし、そのベースを使い込んでいくとサスティーンを変えるのは(短いのを長くするのも)困難になるそうです。
こんな感じですね。かなり意外でした。
僕の予想ではバンドごとに違うチューナーを選んでいて、その結果「音色やサスティーンが違う」のかと思っていましたがそうではありませんでした。
驚きの結果。全部がブッチさんが作っていて、それぞれバンドのリクエストに答えているとは。
室内での演奏が多いならサスティーン(余韻)が短いベースが良いって。マリオさんも言ってた。
これなんですよ。ぶっちゃけた話、これを解決したくてトリニダードに来たようなものです。同じスティールパンでも日本とトリニダードで演奏環境が全然違う。野外で演奏するのと屋内で演奏するのは全然違うわけです。
野外で演奏するならどれだけサスティーンが長くても籠らないけど、屋内になった途端にモヤモヤして音が溶けちゃう。特にコンサートホールと学校の体育館みたいな響く場所。僕もホールの客席で聞かせてもらって痛感しました。ベースが溶けてなくなっちゃうんです。
こんなことを解決できるベースが欲しいんです。そういうことを叶えてくれるチューナーを探しに来たんです・・。
こんなことを森本さんに話し、通訳してくれと言った直後(通訳を聞く前に)マリオさんが「屋内の演奏が多いんだろ?!だったらサスティーンは短くした方が良い。それはできる。」みたいな返事をくれました。
トリニダードのバンドも直面する問題なんでしょう。でもさすが、チューナーは対処法を知っているんですね。
こういうことを聞きたくて今回の旅があるんです。とても大きな収穫でした。
エクソダスのアンソニーさんが言ってた「スティールパン作りで大切なこと」
スティールパンを作る工程って、たくさんあるんですよね。僕はあまり詳しくないのですが、
- ドラム缶を調達して(どんなドラム缶を調達するか)
- まずはドラム缶を滑らかに凹ませていく(シンキング)
- ドラム缶を磨いて
- 火にかけて
- ペンで蜘蛛の巣みたいに線を描いて
- 各音の大きさにマルを描いて
- そのマルの周りを突いて(グルーヴィング)
- チューニングして
- クロームメッキ加工の業者に出して、
- またチューニングして
*以上はスティールパン作り全般の作業工程。
例えば、ベースパンならクロームメッキをほとんどしません。あくまで「一例」です。
超ザックリと書きましたし、多分間違っています。(すみません。分かりません。)
つまり僕が言いたいことは「スティールパン作りはめちゃくちゃ工程が多い」ということ。
そして、それらの工程全てがとても難しい。今のチューナーをそれを分担しているとのことです。
チームで一つのスティールパンを作っている感じでしょうか。
しかし、アンソニーさん曰く
「ハーマン・ガッピーさんやブッチさんはそれらを一人で行なっていたから音が良いんだ」と。
人はそれぞれクセがある。違う人が集まって一つの楽器を作るとやっぱり「何か違う」
スティールパンは本来「一人で作るもの」と言っていました。
そういう「スティールパン作りの裏側」まで教えてくださいました。
だんだん「良いスティールパン」というのが分かってきた。
色々な人にスティールパンのことを聞くにつれてだんだんと「良いスティールパン」というものが分かって来ました。
サスティーンの長さはチューナーが変えられることはわかった。そして、ブッチさんがベース作りのスペシャリストだということも確信できた。そうなってくると、ブッチさんのことをもっとよく知りたいと思いまして。
森本さんが昔からお世話になっているというネストールさん(パンベリのリーダー?)のお話を聞くことにしました。
ネストールさんはブッチさんと付き合いが長く、よく知っているそうです。
すぐにブッチさんとお会いしてお話を聞けばよかったのですが、なかなか電話に出てくれなかったんです・・。森本さんもネストールさんも、ブッチさんの電話番号を知っていて、何度も掛けてくれたのですが、電話に出てくれず。。
「本当に会えるの?!」とヒヤヒヤしつつ、今回のトリニ武者修行は続きました・・・。