と来て、今回の記事に続きます。
パンベリのネストールさんに話を伺いました。
ブッチさんのベースが良いのはよくわかったんだけど
- では、どういう点が良いのか?
- 他のチューナーとは何が違うのか?
そのあたりを聴きたくて。
本当は「どう違うのか?」を実際に試奏して自分で知りたかったんです。
人に聞くんじゃなくて自分で音を出して自分の耳と感覚で確かめたかった。
もともとそういうつもりでトリニダードに来ましたが、それはスケジュール的に無理でした。というわけです。
詳細はトリニダード主要ラージバンドのベースパンを弾き比べ。を参照。
ブッチさんはスティールパンチューニングに対して超研究熱心。
ネストールさんがまずおっしゃっていたのは「ブッチは研究熱心だ」という点。
ブッチさんが若い頃、先輩チューナー達のスティールパンを見て「どうしたらこうなるのか?」を研究していたそうです。
先輩がチューニングしたスティールパンを見て、家に帰って試してみる。
その連続だったそうです。
何度もベースパンを作り直す
「自分が納得できなければ何度でも作り直す」とも言っていました。
「そんなの普通でしょ?」と一瞬思われるかもしれませんが、実はとても大変なこと。
ドラム缶を一人で凹ませているんですよ?
それを途中で「納得できないから」で破棄。
これは大変だろ・・・・。ドラム缶も買い直さなきゃいけないし。ドラム缶を凹ませる苦労は一応体験しているので分かりますが、ちょっと凹ませるだけでも超シンドイですよ。頑張って凹ませても「これはダメ」と思ったら作り直すなんて・・・。
そもそも、ドラム缶を工房に運び入れるだけでも大変なことだというのに。
毎日ドラム缶6個を移動させる僕が言うんだから間違いない・・・
スティールパンのチューニングって「どうしようもできない部分が少なからずある」と思うんです。
相手はドラム缶ですから。「ちょっとの妥協」はしょうがないと。
とかくベースパンはテナーパンに比べて妥協されがちな印象です。
「そもそも音程感がハッキリしないもの」
と思われちゃう感じ。
しかし、ブッチさんはベース作りに一切妥協なし。だからこそ最高のベースパンが出来上がる。
ブッチさんのベースは倍音が完璧
タイトルの言葉ですよ。忘れられない言葉です。
スティールパンは倍音が豊か楽器です。一つの音を叩いても、それ以外の音(倍音)が(他の楽器に比べて)たくさん鳴ります。
で、その倍音が綺麗に調和するかどうかがスティールパンの良し悪しに関わってくるわけです。
ドラム缶を叩いて倍音を操るですよ?スティールパンチューナーというのは職人技の持ち主・・・。
「ブッチさんはトリニダードのチューナーの中で最も重要なチューナーの一人」とネストールさんがおっしゃっていました。
ブッチさんに会いに行きます。
十分すぎるほどのお話を聞けました。ネストールさん、わざわざお時間を作ってくださって本当にありがとうございます。
早くブッチさんにお会いしたくなります。
話が終わったあと、ネストールさんと森本さんがブッチさんに電話してくださって、なんとか電話をつなげてくれてアポを取ってくださいました。
「ベースパンならブッチさん」
日本にまでその名前が届くぐらい超有名なチューナー。
実際にお会いできるのがとても楽しみです。